植物性タンパク質でも筋肉増強できる さらに長寿・がん抑止の効果もあり
タンパク質が筋肉を成長させることはよく知られています。
この効果が明らかに証明されているのは肉ですが、果たして肉以外のタンパク質でも効果があるのでしょうか?
それとも特定の食品に含まれているタンパク質でないと筋肉増強の効果は見込めないのでしょうか?
アメリカのマサチューセッツ大学が発表した調査結果によると、豆類、ナッツ、ケールなどを食べれば、肉を食べた場合と同じような効果が得られることが分かりました。
動物性・植物性を問わずタンパク質が最強
これは男女2,986人を対象に行われた調査によるもの。
この参加者の82パーセントが一日当たりに必要とされるタンパク質を(肉または野菜で)十分に摂取していました。
調査では参加者たちの筋肉の量、強さ、骨密度を測定し、彼らの食生活がどのような影響を持っているか、判定したのです。
その結果、肉・野菜にかかわらずタンパク質を多く摂取している人たちが最も筋肉量が多く、強い大四頭筋(太もも前面の筋肉)を持っていることがあらためて確認されました。
この研究結果を発表したマンガーノ博士は「高プロテインの食事は良い効果が期待できます。とくに年齢を重ねてからも、筋肉量と強さを維持することができるのです」 とあらためてそのメリットを強調しています。
しかし、タンパク質の摂取量による違いは見られたものの、肉を食べるかどうかによる違いは見られませんでした。
つまり、赤身の肉からタンパク質を摂取している人も、豆類から摂取している人も、タンパク質による体の効果は同じだったわけです。
健康面でのメリットも
2016年8月には、肉や卵の代わりにレンズマメやナッツを食べた場合、人の寿命は数年長くなるという研究結果も発表されています。
つまり赤身の肉や乳製品を減らし、シリアルやさやえんどう、大豆などからタンパク質を摂るようにすることで、死亡率が減少するということです。
心臓疾患による死亡率が12%、その他の病気による死亡率も10%減少するという数字が出ています。
また別にカリフォルニアで行われた調査では、男性の場合、菜食主義の食生活を続けている人のほうが前立腺がんを発症する可能性が低いということも判明しています。
この記事は必ずしも「ベジタリアン」をおすすめしているものではありません。
しかし上記のような健康面でのメリットも確認されているので、筋肉をつけたい人でもやはり野菜中心の食生活のほうがおすすめだと言えるでしょう。