人生100年時代の「60年キャリア」 40代でいったんスローダウンは可能?

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私たちにとっては、65歳で定年を迎えるのが「常識」だったはずです。

 

しかし、「The Stanford Center on Longevity(スタンフォード大学長寿センター)」の発表によると、今日のアメリカの5歳児の半数が100歳まで生きる、と予測されています(The New Map of Life - Stanford Center on Longevity)。

 

長寿国日本であればこの数字はもっと大きくなるのかも知れません。

 

長生きできるのは素晴らしいことです。 しかし、それは65歳で引退して100歳までの35年間を年金で安泰に暮らせればの話。

 

自分だけでなく、周りの人たちの多くが100歳まで生き続けるのであれば、事実上「年金生活者だらけの世界」ということになります。

 

今のままでは年金制度は時代に追いついていません。 私たちが汗水たらして働き続け、65歳を過ぎたら5年ほど余生を過ごして70歳で死ぬ、そんな時代に設計されたままの状態です。

 

国の財政にとって耐え難いだけでなく、職場や個人年金に加入していない多くの人々にとって十分な額が用意されているとは考えられません。

 

では、どうするのか?

 

どうやら「60年のキャリア」ということになりそうです。今までの40年間(20~60代)のキャリアに加えて、労働年数が20年長く続く(20~80代)ものです。

 

人生80年時代で40年労働。それが人生100年時代になると60年、つまり1.5倍になるわけです。

 

ここで興味深いのが、「60年のキャリアを持ちながら、40年のキャリアと同じだけの仕事しかしない」というもの。

 

これもスタンフォード大学によるアイデアの1つで、仕事と生活のバランスを一時期逆転させることで、40代以降がボロボロになってしまわないようにする。

 

40代は、子育てや親の介護と仕事を両立させなければならないことが多くなります。

 

それならば40代はパートタイムで働き、プライベートの時間を多くする。そして、60代後半のまだ比較的健康なときに、40代の収入の少ない時代を取り戻せばいいのではないか?というものです。

 

果たしてこのやり方が可能かどうかは分かりません。今の社会常識で考えると、40代でいったんスローダウンしてしまった人が50代や60代で改めて正社員として再雇用されるというのは、どんなに優秀な人の場合でも可能性が低いからです。

 

いずれにせよ、65歳の誕生日が来たら定年を迎え花束をもらって職場を去る、というのはこれからは実現可能な将来ではないと思ったほうがよさそうです。