チョコレート中毒かも知れない・・・? 「マインドフルネス」で克服も可能
チョコレートを食べ始めると止まらない、毎日食べてしまう、という人はきっと多いと思います。
今まで発表されてきた研究では、チョコレートを食べるときに人が感じてしまう「もっと食べたい」という欲求は、実はドラッグを服用したときと同じレベルの強さである、ということが判明しています。
こう聞くと恐ろしくなるものです。
しかしチョコレートとは少し距離を保ちたいと思っている人たちにとって、希望を感じられる研究結果がオーストラリアの大学によって発表されています。
いわゆる「マインドフルネス」方法を行うことで、チョコレートへの欲求を抑えることができる、というものです。
結論からいうと、「食べ物に注意力が引き付けられた段階で意識をそらす」ことがポイントとなりそうです。
「食べたい」と感じる二つの段階
ここでは私たちが食べ物を欲しがるプロセスを2段階に分けて考えています。
第一段階では、食べ物が私たちの注意力を引き付けます。そして第二段階になると、私たちはその食べ物に意識が集中し、食べたいと感じ始めます。
研究者たちはこの二つの段階の両方でマインドフルネスが役に立つかどうか、調べることにしました。
それぞれにマインドフルネスを適用
実験の参加者たちはランダムに分けられ、第一、第二段階にそれぞれ以下のマインドフルネス・テクニックを試しました。
一つは、食べ物に対する欲求の第一段階、つまり食べ物が私たちの注意力を引き付けた段階で、意識を食べ物からそらし、食べるという行動を起こさないようにする方法。
もう一つは、食べ物に対する欲求の第二段階、つまり食べ物に意識が集中してしまい、食べたいと感じてしまった場合に適用する方法です。
第二段階になると人は食感やにおい、味などを感じ始めるようになるため、その感覚をほかのイメージと置き換えるように自分に言い聞かせる、というやり方です。
ほかのイメージとは、たとえば「静かな森の中」とか「人のいない海岸」などでもいいでしょう。
こういったイメージと、頭の中を満たし始めているチョコレートのイメージとを交換してしまうのです。
研究者たちは調査対象者たちにインタビューし、これらの方法を実践したあとにチョコレートのイメージがどれほど強いか、食欲の強さはどれくらいか、そして実際に食べてしまった量はどれくらいだったか、などを調べ上げました。
食べ物に注意力が引き付けられたときがポイント
その結果、第一段階の方法(私たちの注意力が食べ物に引き付けられたところで、意識を食べ物からそらす方法)を実践した参加者のほうが、頭からチョコレートのイメージを離し、食欲を弱めることに成功していました。
この調査結果を取りまとめた研究者たちは、「やはり最初にイメージが浮かんだ時点でそれを離しておいたほうがセルフコントロールが上手くいく」と結論付けています。
チョコレートに限らず「中毒気味」なものがあったら、その欲求はつぼみの時点でつんでおくことが、距離を置くために効果的であるといえるようです。