リファレンスが用意できない場合はどうする?

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先日、ようやく3回にわたる面接を終えて、内定のご連絡をさせていただいた候補者がいました。

 

彼女はまだ30代で、すでにエンジニアとして必要な経験を積んでおり、将来のヴィジョンも持っている方でしたので、私たちも期待の人材として迎える用意をしておりました。

 

しかし、オファーをさせていただいた後、彼女の方から「準備不足のように感じるので考えさせてほしい」という連絡が入ってきたのです。

 

彼女が準備不足だと感じた理由は「リファレンスになってくれる人がいない」ということでした。

 

この予想しなかった事態を経て、私がこの記事でお伝えしたいことは「リファレンスが採用側の要求通りに用意できないからといってあきらめないでほしい」ということです。

 

リファレンス不足」だけが理由で内定取り消しはあまりない

リファレンスは、もちろん必要だと思われるからこそ依頼するわけですので、候補者の方には真摯に対応いただく必要があります。

 

しかし、リファレンスがこちらの希望通りではないというだけの理由で、いったんご提示した内定を取り消すということはあまりないと思います。

 

リファレンスというのはある種の「推薦状」のようなもので、信頼できる第三者に候補者の方の仕事ぶりなどを証言していただくものです。

 

リファレンス自体には法的拘束力はなく、私たち採用側もあくまで参考として見るにすぎません。

 

転職して新しく企業に採用されるときは誰でもリスクを負うものですが、それは採用する企業も同じです。

 

どのような候補者を採用する場合でも、採用側の企業は少しでも安心材料をおさえておきたいと考えます。

 

とくに部長職以上で、責任も重く部下の数も多い職の場合は、その候補者のこれまでの働きぶりや専門性の高さ、マネージャーとしての素質などを第三者に問い合わせたい。

 

ということで、このリファレンスが有効な手段として用いられることになります。

 

リファレンスは相談が可能

このように、あくまで手段にすぎませんので、やり方については柔軟な対応が可能です。

 

もちろん「リファレンス先として紹介できる人が全くいません」という返答ではこちらからの依頼を突き放しているだけですので、さすがに採用そのものを考え直さざるを得なくなります。

 

しかし、たとえばプロフェッショナル・リファレンス(職場で部下や同僚として知っている人によるリファレンス)を2名用意してほしい、と内定先から依頼された場合。

 

もし、どうしても1名しか用意できないのであれば、まずそれを内定先に率直に伝えましょう。

 

これが理由で内定が取り消しになることなど通常は考えられませんし、あなたの印象が悪くなることもふつうはありません。

 

それよりも、残りの1名についてどうするか、あなたが内定先と適切に話し合いをして打開策を見つけることができたほうが、あなたの印象はよくなります。

 

もしプロフェッショナル・リファレンス2名が用意できないのなら、プロフェッショナルを1名+パーソナル・リファレンス(職場ではなく、学校やプライベートで個人的に知っている人)を2名、合計3名で代わりに対応してもらう、というやり方に変えることもできるでしょう。

 

冒頭でご紹介した新しいエンジニアの内定者も、あらためて対応したことでリファレンスを無事取ることでき、正式に採用の運びとなりました。

 

 みなさんもリファレンスについては臨機応変な相談が可能であるということを忘れず、くれぐれもあきらめることなどないようにしてほしいと思います。