履歴書・職務経歴書の内容はどうやって「裏を取る」のか?
私たち企業の採用側は、基本的に履歴書・職務経歴書に書かれていることをそのまま受け取る、という大前提があります。
しかし、重要な部分についてはいろいろな方法を使って「裏を取る」ということをします。
分かりやすいのは学歴です。 最終学歴の学校から正式な卒業証明書を取ってきたうえで、提出してもらいます。
また保有資格についても、取得を証明する正式な書類(の写し)を出してもらうのが通例です。
職歴の裏の取り方
しかし転職活動で学歴・資格以上に重要なのは、職歴です。
これは各企業によってやり方が異なるはずですので、以下で述べることはあくまでその一例としてとらえてください。
私が今までかかわってきた会社の人事部では、直接前の職場に連絡して在職を確認するという方法をとっていました。
もちろん、現在在職中なのであれば直接連絡することはしません。
採用内定となり、実際に入社した後の使用期間中に直前の会社の人事部に在職証明を問い合わせる、というやり方がふつうです。
個人的なリファレンス
また前職の人事部が発行する在籍証明よりも、元同僚や元上司によるリファレンスのほうが好まれる場合もあります。
たとえば秘書業務など、目に見えやすい実績でその人の実力を判断することが難しい業務があります。
そういう場合はむしろ現場での仕事ぶりを重視して判断材料にしたいので、いっしょに働いていた元同僚からのコメントを聞きたいのです。
細かい作業に適した人材か、関係各所との連絡がうまくできる人か、などといったポイントを聞き出すことになります。
在職証明もリファレンスもない場合は?
前職が証明書を出してくれる、またはリファレンスになってくれる人がいる、というのが重要なポイントになりますが、このどちらも用意できない人もときどきいます。
この場合は、履歴書・職務経歴書の当該部分については裏が取れないため、どんなに魅力的なことが書いてあっても採用のときには考慮に入れないのがふつうです。
ただしどうしても裏を取りたい、でも証明書もなければリファレンスもない、という場合は、採用側の企業が独自に動いて確認することがあります。
これは時と場合によって異なるので一概には言えませんが、採用側が持っているネットワークを使って情報収集をし、客観的に判断する、というのが通常のやり方です。
私は転職活動をされている皆さんを脅かす目的でこういうことを言っているのではありません。
それでもあえこのやり方についてお伝えしている理由は、以前私たちがある候補者の経歴について情報を集めてみたとき、職務経歴書に書かれていることがどう調べても本当ではない、と判明したことがあったからです。
その方とは、その求人についてはそれ以上話を進めることはありませんでした。
転職活動が自分という人材の売り込みである以上、誰でも履歴書・職務経歴書をよく見せたいという意思が働きます。
その気持ちはよく分かりますし、また売り込みがよくできるということはその人のビジネスマンとしての腕が見えますので、ある意味重要なポイントではあります。
しかしそこでウソを書いてしまうと、いずれ何らかの形で露呈することになるのです。
あくまで偽りのない情報提供からスタートしてほしいと思います。