コロナのロックダウン中にネット販売を倍増させたイギリスのコーヒー販売店
英国ウェールズを代表するコーヒーロースターの1つ「コールタウン・コーヒー」(Coaltown Coffee)。
この会社はイギリス全土がロックダウンだった最中も、その逆境を逆手に取り、オンライン販売を4倍にすることに成功しました。
コールタウン・コーヒーはすでに2つのカフェを持っており、パンデミックが発生する前にはさらに2つのカフェを開店しようとしていました。
しかしイギリスが3月にロックダウンに入ったとき、同社の顧客275人からの売上が事実上一晩で止まってしまったのです。
そんな中でもコールタウン・コーヒーは、デジタルプレゼンスを強化するための迅速な対応を行い、その結果オンライン販売を大幅に増加させることに成功したのです。
もともとウェブショップの再開発計画は今年後半になる予定でした。
しかしロックダウンを契機にこの計画を急ピッチで進め、その結果2020年4月の売上高が前年同月比で582%の増加を記録しました。
従来は実際の卸売市場からの売上が同社の売上の大半を占めていました。
しかし、ロックダウン後はオンラインの販売プラットフォームの更新を1週間で行ったことで、1日平均160件の注文を受けるようになりました。
これはコロナウイルス以前の1日平均注文数の220%増となっています。
創業者であるスコット・ジェームズ氏は、次のように述べています。
当社のオンラインプレゼンスは確立されていましたが、このロックダウン期間中にこれほどのトラフィックの増加が見られるとは予想していませんでした。
ビジネスとしての対応の早さと、新たな顧客を獲得したことは、大きな励みになりました。
もともと2020年はさらに2つのサイトをオープンする年になるはずでしたが、今年の事業目標を、自宅で楽しめる高品質のコーヒーをお客様に提供することに向けて方向転換したのです。
同社は、さまざまな種類の定期購入サービスを用意しています。
他にも毎週ランダムでエスプレッソ・フレーバーが送られてくる「エスプレッソ・ルーレット」という興味深いサービスも提供し始めました。
こうした提供するサービスの多様化にも着手したことも、成功の秘訣になっています。
コールタウン・コーヒーは、ロックダウン後の3週間で、定期購入サービスの顧客数が 2 倍に増加しました。
ロックダウン中は、ターゲットを絞ったデジタル広告や大規模なソーシャルメディアキャンペーンには投資しませんでしたが、動画やブログコンテンツを通じたオーガニックマーケティングに頼り、ウェブショップの知名度を上げることに専念しました。
英国ウェールズのアルコールやソフトドリンクの生産者を代表する団体「ドリンクスクラスター」のマーク・グラント氏は次のようにコメントしています。
コールタウン・コーヒーは、ここウェールズでロックダウンの課題に真正面から向き合い、今回も成功を収められるように迅速に行動している企業の好例です。
デジタルプレゼンスを効率的に合理化したおかげで、同社は新たな顧客を獲得し、売上が急上昇しました。
ロックダウン中であっても、消費者は素晴らしいコーヒーを手に入れたいと思っているのは明らかです。