エクササイズを続けるコツ それはまわりの人との「競争」
「1週間当たり150分間の有酸素運動」が健康を維持するために必要な運動量だといわれています。
しかしふつうの生活を送る限り、これはきわめて難しいことです。
時間としては7日間で合計して2時間30分だけですから、大したことはないかもしれません。
しかしモチベーションを維持し、ソファから腰を上げ、ランニング用のウェアに着替え、外に出る・・・というのは、想像以上に大変です。
まわりの人たちとどういう関係を築くか
これに対処する方法としてある種の「競争」に自分を参加させるのが有効、という調査結果が発表されました。
カリフォルニア大学が行ったこの調査では、800名の学生たちに11週間のプログラムに参加してもらいました。
参加者たちは(本人たちには知らされないまま)、「個人」「協力チーム」「競争チーム」「コントロールチーム」の4チームに分けられました。
参加者がほかの人たちととるコミュニケーションの種類や度合いが異なるように分けられており、その違いがエクササイズの成果にどう表れるかを見ようというものです。
「個人」のチームに入れられた人たちは、ほかの参加者たちの進捗度合いを知らされますが、情報はすべて匿名のため、誰がどの程度がんばっているのかは分からないようになっています。
成果は個々人で管理され、最も良い成績を出した個人に賞が与えられます。
「協力チーム」では、オンラインでチームメンバーたちとチャットをし、お互いにがんばろうと励ましあうことが許されていました。
ここでは最も参加率のいいチームに賞が与えられることになっています。
「競争チーム」では、ほかのチームの進捗具合とともに自分のチームが全体で何位に位置しているかを知ることができるようになっています。
そして最後の「コントロールチーム」では、自分でどのチームに参加するかを決められますが、チーム内外の人たちと連絡を取ることは禁じられていました。
このチームでは、チームそのものではなく個人が賞の対象になります。
結果
エクササイズへの参加率を見ると「競争チーム」が90%でトップでした。
「コントロールチーム」の参加率も続いて高く、それぞれ参加者たちは高いモチベーションを維持していたことが分かりました。
一方「協力チーム」はそれほどの結果を出せず、「競争」「コントロール」に比べて半分ほどの参加率でした。
「競争というかたちでまわりの人たちとの関係を築くことが、エクササイズを続けるうえで効果的であることがわかりました。一方協力というかたちの場合、人はまわりからメッセージを受け取ることを楽しんでしまい、エクササイズを続けるという本来の目的を見失ってしまうのです」
と調査を担当した研究者は語っています。
どうしても自分で決めたエクササイズが続かないという人は、思い切って競争相手を見つけるのが効果的な方法のようです。