やはりマインドフルネスは効果的 瞑想により脳が「50歳でも20代と同じ」になる

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https://www.inc.com/melanie-curtin/neuroscience-shows-that-50-year-olds-can-have-brains-of-25-year-olds-if-they-do-this.html

 

ケガの治療のためにヨガを始めたある脳神経学者が、ヨガを続けていくうちに自分の心が少しずつ落ち着き始め、難しい状況でも乗り越えることが出来るようになるなど、精神面の大きな改善に気がつきました。また他人に対しても心を開くようになり、相手の視点から物を見ることも出来るようになってきそうです。

 

興味をそそられたこの学者は、ヨガレッスンで教えてもらった「瞑想」に関する論文を調べ始めました。すると、瞑想を続けることにより、ストレスや気分の落ち込み、不安感や不眠症といった症状が小さくなり、生活の質を高める効果があることが分かってきました。

 

そして脳神経学者という立場から、自分自身でも科学的に調査を行い、「50歳でも25歳の頭脳を維持できる」という結果を導き出すことが出来たのです。

 

瞑想の経験者は灰白質が多い

この調査では、すでに数年にわたって瞑想を続けてきた人たちに参加してもらいました。彼らは7~9年間の経験を持つ人たちです。その結果、瞑想を続けてきた人たちは、そうでない人たちと比べると、脳の中の聴覚野や感覚皮質、島皮質などと言った部位にある「灰白質」が多いことが分かりました。

 

灰白質というのは、脳の表面の神経細胞が集まる領域のことで、この部分が多いということは神経細胞が発達していると考えることが出来るのです。

 

また瞑想を行っている人たちは脳の前頭葉灰白質が多い、ということも発見しました。前頭葉とは意思決定や作業記憶(短時間の情報処理能力)に関わる部位です。

 

一般に、人は歳をとるに連れてこの前頭葉が小さくなる傾向があります。しかし瞑想を続けてきた50歳の人たちは、その半分の年齢の人たちと同じだけの灰白質があることが分かったのです。

 

 

 

初心者でも効果が期待できる

しかし研究チームは、もともと長年にわたって瞑想を続けてきた人たちには灰白質が多いという可能性もあると考え、第二の調査を行いました。今度は瞑想未経験者に、8週間のプログラムに参加してもらうことにしたのです。

 

では結果はどうだったのでしょうか?

 

わずか8週間の瞑想で、人の頭脳はより良い状態に変わっているのが発見されました。海馬(学習、記憶、感情の制御)や側頭頭頂接合部(共感力や客観的な視点を持つ能力)といった脳の部位や、脳幹の一部である橋(「きょう」、神経伝達機能に関わる)などが密度を増していたのです。

 

加えて、新しく瞑想を始めた人たちの脳を見ると、「偏桃体」と呼ばれる場所が小さくなっていくこともが分かりました。この偏桃体というのは恐怖、不安、攻撃的発想などといった感情に関係した箇所です。偏桃体の縮小が、瞑想を始めた人たちのストレス軽減に役立っていることが分かります。

 

なお、この調査では参加者に瞑想は40分間続けるようお願いしました。しかし彼らは平均して一日27分間で終わることが多かったようです。またほかの複数の調査でも、一日に15~20分間瞑想するだけでよい効果がハッキリと表れたという結果も出ています。

 

一回の瞑想の長さはまちまちでも、それを毎日続けることのほうが重要だと考えられます。

 

 

 

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