自営業を始める前に考えておこう
リサという女性は、ペットのコリー犬に変性疾患の診断結果が出たため、自宅でペット用の食べ物を作ってあげたところ、犬がそれを喜んで食べてくれた、という経験がありました。
数年後、自動車部品販売会社の職を失ったとき、リサは自宅で作るドッグフード専門の会社「Your Pet Chef」を立ち上げることにしました。
「現在私たちは125匹の犬のためにドッグフードを作っており、毎日犬たちが健康な食生活を送れる手助けをしているのです」。
2012年にこのベンチャーを立ち上げてから、リサもまた新しい起業家たち共通の問題に悩まされていました。減り続ける資金、という問題です。
起業には、決意、経験、調査研究、タイミング、そしてハードワークが必要です。さらに、失敗の可能性もあります。しかしそれでも、人々は成功を目指して起業することをやめないのです。
しかしアメリカでは、起業してから5年後には半分のビジネスが失敗に終わっているという調査結果も出ています。またオーストラリアでは、毎日平均44の事業が閉鎖していると言われています。
起業を始める人たちはみんな楽天的に考えがちです。しかし今までの例を振り返ってみると、収益は半減し出費は倍増するものなのです。結果、困難な状態に陥ってしまいます。
では、起業が成功するために必要なことは何でしょうか?
【何が必要か?を知ること】
斬新なビジネスアイデアだけでは足りません。誰でも起業はできますが、大量の仕事をこなす力と自分を律する厳しさが求められます。
また、これからやろうとするビジネスについての知識や経験があると役に立ちます。
何も知らない分野での起業で成功する人もいますが、その場合、自分が知っている分野の場合の2~3倍の出費が必要になる、とも言われています。
また当然のことながら、資金と業務計画も必要です。
【準備にかかる時間】
少なくとも6~12ヶ月は、調査や資金調達、営業許可などの取得に必要となります。
【すぐに取り掛かる】
[業務運営計画を立てる]
専門家に相談するか、またはネットで自分のビジネスにあった業務計画のテンプレートを探し、予算を立てましょう。
準備の段階でしっかりと手続きを踏み、必要な注意を払っていれば、失敗は避けることができます。
予算と言っても営業初日からの予算だけではなく、営業初日を迎えるまでに必要な出費も見込む必要があります。損益分岐点に到達するまでにどれくらいの費用がかかるのか、しっかり見込んでおきましょう。
[ビジネス形態を決める]
どの形態が可能かは、国や地域によって違ってきます。また形態によって、負わなければならない負債額や課税関係なども変わってきます。
[銀行との付き合いを始める]
今の仕事をやめる前に融資枠の申し込みを考えてみましょう。金融機関は自営業者に対してあまり心を開きません。もし今雇用されているのであれば、今のうちに融資枠をもらえるようにしておきましょう。
また自治体などの援助が受けられるかどうかも調べてみましょう。
[試運転をしてみる]
自分の好きなことをするために、今の仕事をやめるようなことはしてはいけません。生活が続かないことが分かるだけで終わってしまうでしょう。
自分で選んだ業種をサイドビジネスとしてはじめてみて、起業しようとしている仕事がどのようなものか感触をつかんでみましょう。また可能であれば、すでに起業している人と一緒に働いたり、その業種の業界団体に参加して情報収集するのがいいでしょう。
また、お客さんはあなたの商品やサービスにお金を払おうとするでしょうか?少し安めにお客さんに提供し、反応を知ることも大切です。いろいろなことが学べるでしょう。
[契約などの合意を文書化しておく]
たとえ親友たちといっしょに働くとしても、どのようなことでも文書化せずに始めてはいけません。友人同士で仕事を始めても、当初の約束に若干の勘違いがあっただけで、後にお金をめぐった敵同士になる場合もあるのです。
【起業してからやること】
[進捗管理をする]
定期的に身辺整理を行い、改良するべきところを確認しましょう。計画通りに進んでいないのに、それに対してすばやく対応ができない、というのは起業家たちが犯しやすい過ちの一つです。場合によっては、計画を何回も改善しなおす必要もあるのです。
[税務のプロに相談する]
通常の雇用とは異なる形でお金を稼いだ場合は、税金がかかることになります。税務の専門家のアドバイスを受け、自分の納税と帳簿管理の義務を理解しておきましょう。
【上手に進める】
[メンターを得る]
自分ひとりで出発するのは寂しくなりがちですし、モチベーションも萎えやすいでしょう。コーチやメンターがいることで、起業家たちは進むべき方向を誤ることがなくなります。
[身の回りで活かせるものを探す]
中小企業発展のための団体や地域の商工会議所などではマーケティングからソフトウェア、そして簿記にいたるまで、さまざまな講座を開設しているところがあります。受講料も比較的低めです。
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