ジョン・C・ボーグルという投資家の生涯とその8つの投資原則とは?
ジョン・C・ボーグルは「バンガード・インベストメンツ」の創始者として知られている人物です。
世界でも最も成功した投資家の一人として知られているこの人物について調べてみました。
【ボーグルの生い立ち】
ボーグルは1929年、ニュージャージー州に生まれました。
まさに世界大恐慌の年に生まれた彼の家庭はその影響から逃れることはできず、苦労を重ねましたが、1951年にはプリンストン大学を卒業、さらにはペンシルバニア大学でも夜間クラスなどで勉強したようです。
大学を卒業後、投資顧問会社「ウェリントン・マネジメント」に入社しウォルター・モーガンの元で働き始めました。
出世街道を順調に進み、ついに会長にまで上り詰めましたが、「極端に見識の欠けた」投資判断を行ったとして解雇されてしまいます。
ボーグル自身も当時の自分の判断を誤りだったと振り返り、「恥ずかしく言い訳の出来ないものであったが、自分の不完全さと、事実が証明していること以上を信じてはいけないという反省ができたことは大いに役立った」と語っています。
【世界初のインデックス連動型投資信託】
1974年、ボーグルはバンガード・グループを設立します。
彼のリーダーシップの元で、バンガードは世界第2位の投資信託会社に成長しました。
1975年、ユージン・ファーマ、バートン・マルキール、ポール・サミュエルソンら経済学者たちの研究結果を活用し、ボーグルは「バンガード500インデックス・ファンド」を立ち上げました。
これは個人投資家が購入できる最初のインデックス連動型投資信託です。
ボーグルは現在でもバンガード・グループで活躍しています。
【ボーグルの投資ポリシー】
ボーグルはこう述べています。
長期的に考えたとき、プロのファンドマネージャーによって運営されている投資信託を選んでも、彼らに支払う手数料を考慮すれば、価格の安いインデックス連動型ファンドよりもよい結果になることはない。
また、投資というものは「シンプルさ」と「常識」で取り組むものだ、とも語っています。
以下、ボーグルが提唱している8つの投資原則です。
- 価格の低いインデックス連動型ファンドを選ぶ
- 顧問料が発生する場合には(そのアドバイスが自分にとって本当に必要かどうか)十分注意する
- ファンドの過去の成績をあまり重視しすぎない
- 過去の成績は一貫性やリスクの判断に用いる
- 著名なファンドマネージャーたちには気をつける
- 資産の大きさには気をつける
- あまり多くのファンドに手を出さない
- 自分に合ったポートフォリオを買い集め、それを保持し続ける
【もっと知りたい】
ボーグルが設立した「バンガード・グループ」の日本法人「バンガード・インベストメンツ・ジャパン」のウェブサイト。
「投資入門」のページなどもあり、勉強になります。
また『マネーと常識』などのボーグルの著書には、より詳しい自身の投資経験について語られています。
以下の3点がボーグルのおもな著作です。