細かいことを覚えている人は必ずしも頭がいいわけではない
やたら細かいことをおぼている人がいるが、そういう人たちは頭がいいのだろうか?
どうやら、必ずしもそうではないようだ。
一般的に、忘れっぽいのは知性が足りない証拠であると思われている。
「覚えていない」とか「思い出せない」ということは「頭が悪い」ということを意味する - そんな印象もあると思う。
つまり「記憶力がいい=頭がいい」というのが私たち共通の”常識”になっている。
しかしトロント大学が発表した研究結果によると、記憶力がいいということは過大評価されている傾向があるという。
むしろ忘れっぽいことのほうが知性にとってよいことらしい。
あまり関係のない細かい情報を自然と忘れてゆき、目の前に起こっていることに集中できるようにする、というのは人間の頭脳に備わっている大事な機能。
忘れっぽい人はこの「関係のない細かい情報を忘れてゆく」という機能がほかの人たちよりも優れている、ということらしい。
あまり重要ではないものを忘れてゆき、役立つ情報を記憶として残しながら、価値のある決断をしていく、というとても優れた素質が備わっていることになる。
細かいことをいちいち覚えている人には、記憶力の良さに圧倒されてしまうことがあるが、必ずしも頭脳の機能がいいわけではないので、あまり怖がらなくてもいいのかもしれない。