デザイナーとして成功するのための10の秘訣
エマ・ブリッジウォーターさんは、自分の母親に贈りたいプレゼントが見つからなかったことがきっかけで、自身の陶器メーカーを1985年に立ち上げました。
現在、彼女は夫であるマシュー氏とこの会社を共同運営しており、200人以上の従業員を抱える企業となっています。
ここではブリッジウォータさんが「デザイナーとして成功するための10か条」を披露しています。
デザイン業界で働く人、起業する人、働く女性など、多くの人に役立ちそうなアドバイスが見つかるでしょう。
1. まずは会社に就職してみる
興味を持てるクリエイティブ系の会社に就職して、何らかの仕事をしてみるようにしましょう。
私はこれを18ヶ月間やり、その間に学んだことは今の仕事の基礎になっています。
大学を出てすぐにこの種の会社の内部を知り、そこで起こっていることを目で見て、その興奮を直接感じ取ることは、素晴らしいチャンスだといえるでしょう。
しかしそこであまり時間をつぶしてはいけません。
個人的には、しっかり給料をもらえる仕事をするべきだと思います。
しかし、どんなにつまらない退屈な仕事であっても意味はあるはずです。
条件はどうであれ、興味を持った会社に入って仕事をしてみることが大事です。
2. 自信を持つ
私は自分が成功すると信じていました。
私がこの仕事を始めたときは、陶器業界について何も知りませんでした。
つまり、まったく無知のままストーク・オン・トレント(陶器で有名なイギリスの地名)にやってきたのです。
しかし成功するという確信はありました。
私はこの町を歩き回り、「この大きな工場はいつか私のブランドの陶器だけを製造するようになる」と想像したのです。
人生においても仕事においても、自分のやりたいことがわかった時点で、あなたのするべきことの半分は終えたと考えていい、と思っています。
しかしその目標がないのであれば、結局たいしたことを成し遂げられないままで終わるしょう。
3. 小さく始める(しかし、野心は持ち続ける)
私が起業したときには、わずか4通りの型の陶器しか製作していませんでした。
マグカップ、ボウル、ミルクジョッキ、そしてお皿だけだったのです。
こぎれいでシンプルな、見ていて楽しい形の陶器は、「型にはまり過ぎない型」の良い例でした。
そこから、私たちはいつも装飾のアイデアに頭をめぐらせている必要があるのです。
4. つねに新しいアイデアを求め続ける
私はこの国で陶器を作るという伝統に全てをささげています。
そんな私の姿勢が、私のブランドの陶器のデザインを作っているのです。
書籍からアンティークショップ、蚤の市など、インスピレーションはどこにでも見つかります。
アイデアを得て、形や色づかいが思い描けたら、頭の中では素晴らしいことが起こっているのです。
新しいデザインの可能性を生み出すような、ある種の和音が鳴り響くようなものです。
それは、新しいデザインの収穫が期待できる土地があなたの中で出来上がっているからです。
新しいアイデアを求め続けるのはとても重要なことなのです。
5. 好きなものに対して情熱を持つ
自分が本当に情熱を傾けられるものでなければ、始めるべきではありません。
厳しい仕事をやりぬくためには情熱が必要だからです。
もしお金儲けだけが目的であったら、ここまで私の意志が続いたかどうかとても疑わしいものです。
一方、この業界の発展、この都市、または一緒に働く人たちやそのスキルなどに対する愛着と情熱はとても大きいものがあり、私の原動力となってくれたのです。
陶器を一生売り続けるというのは楽なことではありません。
それを続けるには、やはりこの仕事を好きである必要があるのです。
6. アイデアと出会ったら、トライしてみる
私は大学で英文学を専攻したので、出版業へ就職すると考えていました。
ライターのエージェントなど、そういった種類の仕事を想像していたのです。
大学を卒業したときには、私は自分自身の会社を起こすというはっきりとした考えを持っていました。
楽しくなると同時に、しっかりと運営し、かつ収益を上げなければいけない、と考えていたのです。
私は従姉妹と一緒にドリンクパーティで食べるカナッペをつくる仕事をしていました。
ありがたいことに大きな問題も起きずにすみ、その時の私はいとこの家のソファに寝泊りしていました。
しかしとても不安定な仕事だったのです。
そんな頃、私は母の誕生日プレゼントを買うために瀬戸物屋に入ったとき、とても素晴らしい経験をしました。
母にプレゼントしたいと思うような品物と、目の前に並べられている品物に大きな違いがあることを感じたのです。
このとき、私は自分がやるべきことを感じ取り、それが上手く行くだろうと思いました。
7. よいブランド名を選ぶ
自分のブランドに適した名前を選ぶことはとても重要です。
シンプルかつ最も重要なことだと思います。
もしあなたの名前をブランド名に使うのであれば、そこには関係性が生まれてくるでしょう。
ブランドをあなた自身が直接体現することになるわけです。
8. 一生懸命働く。しかし息抜きの方法を知っておく
みんなそれぞれの道を通って今いるところまでたどり着いているわけですが、私が知っている限り、成功している人で休暇をたっぷり取っている人はあまりいないようです。
過去何年にもわたって、我が家は2~3日以上の休暇をとったことはありません。
まわりのことが分からなくなってしまうほど大変な仕事ですが、それが苦痛に感じるのであればやる価値はないのです。
自分のスイッチをオフにするのは難しいと思います。
もし私ひとりでいるときなら、電話のおしゃべりで時間を使ったりせず、あえて意識して音楽やオーディオブックを聴いたりするでしょう。
リラックスできる家庭を持つことが、とても重要なのです。
9. 犠牲を払う心積もりをしておく
私は夫とともに仕事をしています。
多くの人にとって、夫婦で働くというと地獄のようなことを想像してしまうかもしれませんが、私たちにはよいワーキングスタイルになっています。
たくさんの失敗もありましたが、私たちにとってはとても生産的な方法なのです…私たちの子供たちは嫌がっていたかもしれませんが。
家族の存在感はとても大きいものです。
私は家族のために仕事をしているわけです。
しかしその一方で、自分が仕事をしているということは、自分が家族と一緒に時間を過ごしていないということを意味してしまうのです。
そのため、大きな罪悪感を覚えます。
夫の両親には積極的に手伝ってもらっています。
我が家に大きく貢献してくれており、私以上に子供の学校行事に関わってくれているのです。
夫の両親に子供の世話をしてもらうというのは、働く女性にとって少々難しい部分があると思いますが、それは「妥協」と「常識」で乗り越えると考えてよいでしょう。
10. 後悔しない
私は自分の仕事の出来栄えに満足して喜ぶよりも、むしろいつも不満に感じてしまいます。
もし「全力で働いたか?」と聞かれたら、私は「Yes, No, Yes, No…」と繰り返し、結局は「全力では働かなかった」という答えで終わってしまうのです。
おそらく多くの働く女性と同じく、私もこのランニングマシーンのような思いの繰り返しに多くの時間を使っているのです。
しかしそこから一歩離れてみましょう。
自分がとても厳しい世界で働いていることを思い出し、私のつくった美しいもの手に取った人がそれをお互いにプレゼントしあっていることを想像してみるのです。
これこそ大事なことなのです。
そして子供たちこそこういったことを生まれつき理解し、よいことだと考えていると思うのです。
(Designer Emma Bridgewater's top 10 tips - BBC News)