アップルが世界を変えた8つの方法
アップルは現在、最大かつもっとも収益を上げている会社である。しかしそこにたどり着くまでには、世界を変える必要があった。
今から40年近く前、アップルはガレージで組立作業をする二人の友人にすぎなかった。
今、それは巨大企業となった。iPhoneは9秒に1台の速さで売れており、また最近は上場企業としては過去最大の四半期利益を公表したばかりである。
しかしその名声とは裏腹に、アップルは必ずしも何かを発明しているわけではないのだ。
ラップトップ、デスクトップ、携帯電話、タブレット端末、MP3プレーヤーなど、アップルの主要な製品はどれもすでにこの世に存在していたものであった。
しかしアップルが世に出すこれらの製品は世界を大きく変えた。それはアップルによってこれらの製品がポピュラーなものとなったからである。
1.マッキントッシュ
アップルI、アップルII、アップルIIIと成功を積み重ねた後、1984年にマッキントッシュの第一号が発売された。
マッキントッシュはマスマーケット用のコンピュータとして画像によるインターフェイスを使用した最初のコンピュータだった。今日誰もがコンピュータを使用するのと同じ形を開発したのである。
マウスの使用を始めたのもマッキントッシュであった。この結果、デザイナーなどを含めた幅広い業種がコンピュータを使用できるようになり、さらには家庭でも使用されるようになった。
マッキントッシュはその後「マック」と呼ばれるようになり、現在は「iMac」「Mac Pro」「Mac Mini」「MacBooks」として息づいている。
これはアップルがIT業界に揺さぶりをかける会社として知られるきっかけとなった。同時に、その後の30年間にわたりアップルが世界を変える会社として知られるきっかけともなったのだ。
2.スーパーボウルのCM
アップルの強みは優れた製品を作ることだけでなく、それらをうまく売ることでもあった。
その第一歩は「1984年」スーパーボウルのコマーシャルであった。
マッキントッシュを世界に紹介するのみでなく、予算をかけ、映画のようなスーパーボウルのコマーシャルのアイデアを生み出すためにかなりの労力をかけた。
この画期的なCMは多数の視聴者をひきつけるテレビの一大イベントとなってゆくのである。
3.iPod
しかしアップル製品がいつもそうであるように、iPodの登場は音楽業界全体を揺るがした。
この音楽プレーヤーは、大人気となり、他の企業も匹敵するものを作り出そうとした。
iPodのおかげでアップルのほかの製品も大きく進歩した。
iTunesとそれに組み込まれているオンラインショップは、iPodのコンテンツを管理するためにリリースされた。
また、後のiPhoneは、アップルがiPod開発の過程で開発した携帯機器の技術がそのまま活かされた。
昨年まで最初の形態のiPodは残り続け、「iPodクラシック」と呼ばれていた。
9月には製造終了となったが、明らかに部品の調達が困難になったことが原因と思われる。
しかしいまだに根強いファンがいて、ネット上で高額で売買されている。
4.合法的ダウンロード
iTunesストアは、音楽業界にとって決定的なタイミングで登場した。
2003年に登場したとき、音楽業界は危機に瀕していた。
無料かつ違法なダウンロードが横行していた一方、合法的にダウンロードでシングルやアルバムを買うためのサービスはわずかしか存在しなかったのである。
iTunesストアはこの状況をがらりと変えた。
このサービスは値段設定や楽曲の販売方法について新しい方法を提示し、さらに人気の高かったアップル製のiPodとiTunesと連携するよう出来上がっていた。
以来、iTunesストアのおかげでアップルは自身の取り扱う製品の範囲を広げることができた。
iTunesストアの人気により、アップルは何百万もの顧客のクレジット・カード情報を獲得したのである。
それらのおかげで顧客は、たとえば「App Store」において、面倒な手続きのないままアプリを購入できるようになった。
5.スマートフォン
アップルが登場するまで、スマートフォンはダサくて使いづらいものであった。
ここでもアップルが行ったのは、格好悪さや使いづらさを取り除け、複雑な使用方法を改善し、みんなが欲しがるものに変えていった。
2007年にスティーヴ・ジョブズが行った発表会は、今でも見ることができる。
同時に、この動画以来、世界がどのように変わってきたかも見ることができるだろう。
App StoreはiPhoneが発売された1年後に開始され、これもまた世界を一変させたのである。
App Storeのおかげで、モバイル・ゲームは中毒者が出てるほど人気が高まり、ビジネスとしても大成功した。
後にはこのオンライン・ストアはデスクトップ・コンピュータにも登場したのである。
7.アメリカの大手企業ではゲイであることを公表した最初のCEO ティム・クック
アップルの画期的な業績は、ITの世界にとどまらなかった。
ティム・クックは2014年10月、自信がゲイであることを公表した。
アメリカの歴史の中で、同性愛を公表した最初のCEOのひとりである。
「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」の中でクック氏は「私はゲイであることを誇りに思っている。ゲイであることは、神が私に与えてくれた最も素晴らしい贈り物だ」と語っている。
アメリカのいくつかの州では、従業員が同性愛者であることを理由に解雇する権利を雇用者に許しており、クック氏はこれを批判。
その上でアップルをたたえ、「創造性とイノベーションを愛し、人々の違いを受け入れた時にのみ繁栄できることを知っている会社」と述べた。
8.アップル・ウォッチ?
新商品の発表をするだけでIT業界を変えることができる、というアップルの力を証明することになった。
2014年9月、アップルは「アップル・ウォッチ」の製作発表を行った。
結果、またもや世界は揺らいだのである。
もちろん、スマートウォッチは以前から存在していた。
機能も悪くないが、アンドロイドでしか使えなかった。
しかし今回アップルが発表したスマートウォッチのほうが、シンプルさ、スタイリッシュな形、そしてPRの巧みさなど様々な点で評判がよく、その結果、業界に揺さぶりをかけることになった。
まだ発売前にもかかわらず、アップルのスマートウォッチのニュースが他社のものよりも数倍も重要であることを証明する形となったのである。
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