数学の理論を使うと「26歳のときに出会った人」を結婚相手に選ぶといいらしい

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みなさんは「37%ルール」というのを聞いたことはあるでしょうか?

ジャーナリストのブライアン・クリスチャンと認知科学の専門家トム・グリフィスの共著である『Algorithms to Live By: The Computer Science of Human Decisions』(生きるためのアルゴリズム ー 意思決定のコンピューターサイエンス)で提唱されている考え方です。

 

私たちの人生では、与えられた選択肢を限られた時間でチェックして、どれを選ぶか決めなくてはいけない場合がたくさんあります。

採用インタビューを行うとき、新しい部屋に引っ越すとき、自分のパートナーを選ぶとき・・・ そんな時に最も適したタイミングはいつなのでしょうか?

 

それは、全体の選択肢のうち37%までチェックし終えた段階である、というのがこの「37%ルール」と呼ばれているものです。

全部の選択肢のうち37%まで見た時点で、人は自主的な決断をするのに十分な情報を得ているのと同時に、必要以上に多くの選択肢をチェックしようとして時間を無駄にすることもない、というちょうどいいポイントにいることになります。

 

 

秘書問題 

1960年代に「セクレタリー・プロブレム」(秘書問題)と呼ばれた実験がありました。

これは37%ルールと同じ考え方を証明するために行われたもので、コンピューターを使用しない理論数学者たちによって考え出されたものです。

 

この実験では、面接官は秘書の候補者たちを一度しか面接することができません。

そしていったんある候補者を不採用と決めたら、あとでそれを覆してその人を採用することはできないことになっています。

 

果たしてこの場合、候補者群をどこまで見ていけば最高の秘書候補に出会えるチャンスが高まるのでしょうか?

 

3人目までの面接を終わらせた時点では、面接官の判断は2番目の候補者を基準に行われる、ということがわかりました。

つまり、もし2番目が1番目よりも優れていればその人は採用され、1番目よりも良くないのであれば先へ進めてほかの候補者とも面接する、という判断になります。

 

これが5人目まで終わらせた場合は、3番目の候補者が基準になりました。

 

このように続けていくと、面接をする人は全体の候補者のうち初めから37%までの候補者の情報を使って判断しており、それ以降の情報は使っていない傾向がある、というのがこの調査の結果でした。

 

 

37%=26歳 

これは自分の結婚相手を探すのにも当てはまる、とこの記事は述べています。

 

もしあなたが18歳から結婚を意識し始め、その後40歳になるまで理想の候補者を探すことができると仮定しましょう。

ここに37%ルールを当てはめると、18~40歳(22年間)の初めから37%のところ、つまり26歳のときの情報で判断するのがよい、という計算になります。

 

正確にいえば、26歳のときにはすでに意思決定をするのに十分な情報を得ており、またそれ以上時間をかけても無駄になってしまう可能性が高くなる、ということです。

 

これは数学用語では「最適停止問題」と呼ばれています。

上記『Algorithms to Live By』のクリスチャンとグリフィスによると、1,000件を超える可能性のうち、途中の36.81%のところで判断するのが良いタイミングである、ということになるのです。

 

 

別の調査からも「26歳くらい」 

最近行われた、結婚が成功する確率にかんする調査結果も、この「26歳」という年齢が相手を決めるタイミングとして適正であるという力強い証拠を示しています。

 

2015年7月、米ユタ大学の社会心理学者ニコラス・ウォルフィンガーが、離婚しないためには最も適した結婚年齢は28~32歳である、という調査結果を発表しました。

 

28歳だと18歳から40歳までの22年間では45%じゃないか?と思ってしまいますが、この調査で導かれたのは相手を選ぶタイミングではなく、結婚する年齢です。

多くの人は結婚の前の1~2年間を交際期間として費やすのがふつうですから、やはりパートナーとの出会いということでは26歳という年齢が適正であると考えていいでしょう。

 

一方、32歳を超えてから結婚する場合、結婚年齢が1歳高くなるにつれて離婚の確率が5%高くなる、という結果もおなじウォルフィンガーの調査により出されています。

 

 

あくまで数学理論上の26歳

もちろん37%ルールは完ぺきではありません

これは冷徹な数学から借りてきた理論です。

 

この理論には、人はみな自分の生涯のパートナーとしてどんな人を求めているのか26歳の時点でよく理解している、ということが前提となっています。

一方、誰でもパートナーに求めるものは18歳から40歳のあいだにかけて変わっていくものですが、この37%ルールにはこのことはまったく加味されていないのです。

 

しかし、26歳になったらいったん新しい人を探すことを一休みし、身近にいる人たちの中に将来のパートナー候補がいるかどうか真剣に考えてみる、という目安としてもいいのかもしれません。

 

 

 

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