ひとり言を言っている人は怖い? 実はすぐれたパフォーマンスをしている可能性
ブツブツと「ひとり言」を言っているのを聞かれるのはなかなか恥ずかしいものだ。
しかし、必ずしも恥ずかしがる必要はないかも知れない。
最近発表された調査結果によると、ひとり言は知性の高さを表し、また健康にも役立つということがわかったのだ。
この調査はイギリスのウェールズ大学で参加者28人を対象に行われたもの。
参加者たちには紙に書かれた指示書を手渡し、それを黙読してもらう場合と音読してもらう場合とでの結果の違いを観察した。
「集中力」とその指示の内容を実行する「パフォーマンスレベル」の2点を測定。
結果は、この2点とも音読した場合のほうが良くなることがわかった。
この調査を行ったマリベッファ氏は、単に黙読したときに比べると、その指示内容を耳で聴いたときのほうがパフォーマンスレベルは上がる、と結論付けている。
「この結果から、自分でひとり言を言っている人は、むずかしい仕事に対するコントロールが可能になり、パフォーマンスは格段に良くなることがわかります」
またこれは、多くのスポーツ選手が試合中に声を出してしゃべる理由の説明にもなるという。
たとえばテニス選手が試合中、特にゲームの重要なポイントで「よし、来い!」などと声を出していることがある。
これは自分の集中力を持続させる効果があるのだという。
「ひとり言をいうのは、自分自身に指示を出すことになります。これは私たちが誰でも持っている認知力のコントロール方法として有効なものです。しかも声に出すだけで効果があるのですから、シンプルなやり方といえるでしょう」