デカルト『方法序説』に学ぶ 難しいものに立ち向かう方法

 

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初めてのものに取り組むときなど、今までに経験したことのないほど複雑に見えるものを目の前にすることがあります。


効率よく物事を進めるには、分からないことは自分ではやらず、出来る人に丸投げするのも一つの方法です。
分業というのはそういうもので、これはズルいやり方などではありません。


しかし、場合によっては、どうしても自分で取り組まなくてはいけないものもあるでしょう。
また、人に振ることができるものでも、あえて自分がやることで新しいスキルを身につけることもできるはずです。


そんな時、やみくもに進めても、失敗を繰り返すだけで前に進むことはできません。


フランスの哲学者ルネ・デカルトの『方法序説』には、不確かなもので満足することなく、論理的に正しいものにたどり着くための方法が述べられています。

 

これは数学者でもあったデカルトが、難問に対したときにどのように解を求めてゆくか、その基本姿勢を述べたものであって、仕事上の問題解決のために提案したハウツーではありません。

 

しかし、以下の4つの方法を用いて進めてゆくと、時間はかかるかもしれませんが、本当に納得できるところにたどり着くことができるでしょう。


「明証性の規則」
自分ではっきりと「正しい」と認めることが出来ないものは、どんなことも受け入れない。

注意深く、速断と偏見を避けること。

疑いをさしはさむ余地の全くないほど明確なもの以外は、何も自分の判断に含めない。


「分析の規則」
自分が検討する難問の一つ一つを、出来るだけ多く、かつ問題をよく解くために必要なだけの小さなパーツに分割する。


「総合の規則」
考えを順序にしたがって導くこと。

もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて、少しずつ階段を上るようにして、もっとも複雑なものまで上ってゆく。

そのままでは互いに前後の順序が分からないものの間にも、順序を想定して進むこと。


「枚挙の規則」
上記の作業において、すべて漏れなくカバーし、全体にわたる見通しをして、何も見落とさなかったとチェックすること。

 

 

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