朝食でチョコレートケーキを食べると痩せるってホント?
スイーツを食べるなら朝が一番、というニュースは以前も話題になりました。
これはカラダの新陳代謝が最も活発なのが朝であること、また甘いものを食べてもそのあと一日かけてカロリーを消費することができること、が理由です。
またタンパク質や炭水化物の含まれている食べ物を朝に食べると、その後のスイーツへの欲求が抑えられるということも分かっているのです。
【朝食でチョコレートケーキを食べた人たちの体重】
この研究は、193人の成人を対象に行われました。糖尿病ではありませんが肥満と診断された人たちばかりです。
この人たちをグループ分けしました。一つは炭水化物の少ない300キロカロリーの朝食を食べるグループ、もう一つは炭水化物を減らさない600キロカロリーの朝食を食べるグループです。
この600キロカロリーのグループの朝食には、チョコレートケーキが含まれていました。
合計32週間にわたって調査が行われましたが、前半の16週間が過ぎたころには、どちらのグループも体重が平均15キロ減っていました。
しかし後半の16週間で決定的な違いが出てきたのです。
300キロカロリーのグループはリバウンドして10キロ増えてしまいました。一方、チョコレートケーキを食べていた600キロカロリーのグループはリバウンドせず、さらに7キロの減量に成功したのです。
【チョコレートケーキはダイエット食?】
この調査では「炭水化物を抑えた300キロカロリーの朝食では満足感が低く、お腹がいっぱいになったと感じられない」ということが分かりました。
その結果、砂糖や炭水化物への欲求が高くなり、日中に余分なものを食べてしまう人が多かったのです。
これは医学的と言うよりはむしろ心理学的なことが原因となっているようです。
人は好きなものを禁止されると、短期間であれば我慢することができますが、長期的には好きなものへの嗜好が強まってしまうのです。
【あらためて確認したい朝食のパワー】
朝食は一日に必要なエネルギーを与え、脳の機能を助け、減量や体重維持に必要な新陳代謝を促します。
また朝食は「グレリン」というホルモンの分泌を調整してくれることも分かっています。グレリンは空腹感を引き起こす働きがあり、食事の前にはグレリンが高くなりますが、朝食は3食の中で最もこのグレリンを抑えてくれるものなのです。
残念ながら、チョコレートケーキそのものにはダイエット効果はありません。しかし、上記のような私たちの心理と朝食の役割を理解しておけば、ダイエットのために無理に好きなものを我慢する必要はないのです。