株式投資で心得ておきたい5つの格言
株式市場は、時々とらえどころのない動きをするように見えます。
イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズは「市場の理不尽な動きは、あなたの資金よりも長く続いてしまう」という言葉を残しています。
株式投資についてのアドバイスの多くは、市場の動きを捉えることで、私たちが過ちを避け、勝つ機会をつかめるよう教えてくれるものです。
以下、市場の動きを読むために過去の投資家たちが心に留め、活かしてきた格言5つを紹介します。
「トレンドは友人である」
上手に運用し利益を得るためには、他人と同じではいけないと思っている投資家もいるでしょう。
しかしトレンドこそが現実である、ということを認識しなくてはいけません。
トレンドは市場に参加しているすべての人々の行動を、総合的に表しているものなのです。
市場全体が値上がりしていたり、値下がりしていたりするときは、そこで取引されている株式のほとんどもまた同じ動きをしているということです。
これをもとに戦略を立てましょう。
トレンドに逆らうのではなく、市場全体のトレンドの方向を見極め、それに合わせて自分がする取引の計画を立てましょう。
「落ちてくるナイフをつかもうとしない」
急激に価格が下落している株式を見つけたら、この格言を思い出しましょう。
床に向かって落ちてゆくナイフをつかもうとするのが危険であるように、売り注文が殺到している株式を買うのは危険な可能性があります。
もしあなたが自分で分析して、下落している株式を買うべきときだと判断したのなら、買ってもいいでしょう。
しかし、単にその株式が売りに出されているから、という理由だけで買うべきではありません。
店で買い物をしていると、10%引きのものが3週間後には25%引き(もしくはそれ以上)値下げされているのを目にすることがあるでしょう。
売りに出されているものを早い時期に買ってしまうと、自分の資金を減らす結果になる可能性があります。
「うわさを聞きつけて買い、ニュースを聞いて売る」
この格言は、うわさによって株価が持ち直したり売りに入ったりする、というと関係があります。
人々はうわさを耳にすると、それが株価に及ぼす影響がどのようなものかを推測するため、その結果が実際に株価に反映されることになります。
もしうわさどおりになれば、その影響のほとんどはすでに株価に反映されているでしょう。
もしうわさが正しくないことが分かっても、これまた株価に影響します。
たとえ間違った内容のうわさでも株価に反映されるからです。
つまり、株価はしばしば根拠のない推測によって動き、うわさがニュースとして公表されたときに価格が調整されるものなのです。
「ほかの人が貪欲なときに気をつけ、ほかの人が恐れているときに貪欲になる」
長期的に見ると、上昇傾向や下降傾向というものがありますが、ある一時を見ると、市場の動揺は株価の流れを変えることがあります。
タイミングを見計らうのは難しいものですが、それでも投資対象の会社が特におかしなことをやっていないとき、またはやるべきことをやっていないときに注意を払うことは大切です。
このような時期には、周りとは逆の考え方をし、決して現状に満足してはいけません。
この格言は「トレンドは友人である」という最初の格言と真っ向から対立するものです。
しかし、どのトレンドもいずれ終わるものなのです。
今のトレンドが永遠に続くかのように見えるまさにその時、そのトレンドは終わってしまうものなのです。
「買い市場は“心配の壁”を登る」
人々がどのように感じているかにかかわらず、市場のトレンドは変わるものです。
より多くの買い手が市場に入ってくれば、株価は上昇します。
逆により多くの売り手が市場に入ってくれば、下落するのです。
あなたがもし、みんなが市場のトレンドに乗るまで待っているのでは、長い間待つことになり、チャンスを逸してしまいます。
人々がまだ不安を感じているときにトレンドは上昇し始め、逆に好調に見えるときにこそ落ち始めるものだということを、覚えておきましょう。
結論
これらの格言が長い間言い伝えられてきたのは、決して偶然ではありません。
人々がどのように株式市場とかかわり、同時に株式市場がどのように人々に影響を与えるか、ということを的確にとらえた言葉です。
もし深い真実を語っていない格言であれば、とっくに忘れられていたでしょう。
覚えておいて損はありません。
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