芸術家として成功するための10の秘訣

 

 

スザンヌ・デュ・トワは南アフリカ出身の女性芸術家です。

 

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南アフリカからアメリカにわたりアートの勉強をした後、イギリスで活動を始めました。

 

主に肖像画を描く画家である彼女が、芸術家としてやってゆくための10の秘訣を公開しています。

 

芸術家だけではなく、自分で独自の道を切り開こうと考えているすべての人にヒントを与えてくれるものばかりです。

 

1. 似た考え方の人と一緒にいるようにする

私にとっては、アートの勉強をするのはとても大切なことでした。

何かを覚えるというより、考えの似ている人たちに囲まれることでインスパイアされることが大事だったのです。

お互いにアイデアを出し、それが自分と同じような見方をする人たちからフィードバックされてくる。

ほかの人から学ぶということはとても大切なことです。

ギャラリーにもよく行き、質が高く尊敬する芸術作品を観るためです。

創造性のある人々からインスピレーションを得られるようにしなければいけません。

 

2. 自分が最も好きな芸術のタイプを見つける

ギャラリーに行くと、私はいつも肖像画に最も時間を割きます。

芸術は様々な歴史がありましたが、肖像画はどんなときも興味深いものでした。

肖像画が必ずしも最先端の芸術ではなかったときもありましたが、その時も私はドイツの芸術家たちが人々のうちに秘めた魂を描き表現していて、その時代の精神をつかんでいるのを観ました。

私はこれに感化され、自分の描く肖像画に時代の精神を見つけ出そうと思ったのです。

 

3. ひとりで作業をすることに慣れておく

画を描くのはとても孤独な仕事です。

仕事をするためには、いつも一人にならなければいけないのです。

本音を言えば、私はアトリエで一人で仕事をするほうが好きなのですが、それでも孤立した状態だと言わざるを得ません。

特に自分がアート集団や学校に属していないと、とにかくすべて自分ひとりでやり続けなければいけないのです。

私はそれほど社交的な性格ではないので、この私の状態がアーティストとして必要なタイプかどうか分かりませんが、私はとても内向的で一人でがんばるのが好きです。

 

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4. 自分の限界を受け入れる

かつて先生に「人は自分のできることしかできないのだ」と言われたことがあります。

私が自分の限界を知りストレスを感じていたときに先生に言われたことで、目が覚めるようなアドバイスでした。

自分ができることの限界を知り、ベストを尽くす。

私はこのアドバイスをいつも心に留めています。

最初からうまく行くときもありますが、どうしてもうまく行かないときもある。

そんな時は、今までやってきたことをいったん捨ててしまい、漠然としたイメージだけを頭に残し、もう一度やり直します。

描いてる画のために新しい感覚を得るのはとても大変ですし、何度も描き直すとどんどん難しくなってきますが、今あるものをいったん手放しもう一度やり直すのは悪いことではありません。

 

5. 自分の主題を知る

私は自分の家族についてたくさん描いてきました。もちろんのこと私は彼らのことをよく知っています。

自分の知っている人たちはとても描きやすいのですが、 当然のことながら知らない人からの依頼を受けた場合はそうはいきません。

私の場合は、まずモデルと知り合いになりたいので、実際に描き始める前にその人をよく知ろうと努めます。

その人の性格は内向的か、それとも社交的か?その人はまっすぐに見つめる自信のある表情をしたいのか、それともどこか遠くを見るような様子で描かれたいのか?といったことを知ろうとします。

 

6. 急がず、マイペースで進める

うまく行けば、一回のセッション中にペンとインクで素描をし、モデルのポーズを決めてゆきます。そしてその素描をカンバスに描き、その後3日間をつぎ込んで完成させます。

その3日間のうちの最初の日は服に集中し、二日目は顔と手、最後の日は背景を含め全体をまとめます。その段階で写真と比較し、どこか直すところはないかチェックもします。

 

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7. 写真を使う。しかしそれだけを見て画を描かない 

私の場合は、写真を見て描くより、実際に目の前に座ってもらいながら描くほうを好んでいます。

モデルを直接見ながら描くほうが、画の中にありのままの自然さを出すことができるからですが、それでも写真を見て直しをすることもあります。

私が写真を見るときは、モデルがどこでどのように座っていたかを思い出し、照明のあたり方が合っているかをチェックするためです。

モデルの様子に似た雰囲気で描けないときは、やり直すのに写真が役に立ちます。

また、意識して写真を使わないときもあり、そんな時は自然さを保つことができるのです。

つまり、肖像画というのはあまり洗練されすぎたり、あまり似すぎていたりしてはいけないのです。あまり似たように描きすぎてしまうと、新鮮さと質の良さを失ってしまうのです。

 

8. 自分の仕事に好意的でない人がいることを意識しておく

私はモデルを人物としてとらえたいのです。顔そのものだけをとらえようとしているのではありません。

私は息子の肖像画で「BPポートレイト・プライズ」を受賞しました。しかし私の息子はその画をあまり好んでいなかったのです。彼は自分が楽しげに描かれていないと感じ、不満を感じていたからです。

しかし彼は内向的な性格で、私が画に描いたとおりの人物なのです。

自分の肖像画が気に入らなければ、決していい気分ではないでしょう。

しかし人は、他人が見るのと同じように自分を見ているとは限らないのです。これが私がとてもストレスを感じることです。

やはり自分で見たとおりにしか描くことはできないのです。

 

9. 自分自身のために描き、正直であり続ける

もし自分がやりたくない肖像画の依頼をもらったら、私は断ることにしています。

私の描く肖像画がどういうものかを知っておいてもらいたいし、その上で依頼をして欲しいからです。

私は結局、自分自身のために画を描いているのです。

みんなに認められたいからではないのです。もちろん仕事を評価してもらえるのであれば、それはうれしいことですが。

ファッショナブルなものを描こうとしているのではなく、正直でありたいのです。

自分の作品と自分の心の間に対話が成立するのはとても大切なことです。

私は自分の仕事を誇りに思いたい。

つまり、私自身と共鳴しないものを描いても成功とはいえないでしょう。

 

10. 自分にとって何が大切かを忘れず、それを追いかける

私は有名アーティストになることはないでしょう。

クリエイティブな仕事の世界では、誰でも拒絶されることがありますが、それを経験したことで私は自分を奮い立たせることができたのです。

次のチャンスが必ず来る、ということを忘れてはいけません。

 

私からのアドバイスは、自分を信じ、自分にとって何が大切かを忘れず、それに集中し追い続けることです。

とにかく的に向けて矢を放ち続けることです。どこかで的に命中するときがくるでしょう。

「BPポートレイト・プライズ」の受賞はとてもありがたいことでしたが、私としてはギャラリーに私の作品をプロモートしてもらいたいのです。

画を描くことをやめるつもりはありません。これこそ私の仕事だからです。私は画を描くために毎朝目覚めているのです。

 

 

 

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出典:BBC News - Top 10 Tips: Award-winning artist Susanne du Toit