アレクサンダー・T・スチュワートに学ぶセールスの極意

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アレクサンダー・スチュワートは1803年にアイルランドに生まれ、最初は牧師を志して米ニューヨークに渡りました。

 

しばらくニューヨークで過ごした後、いったんアイルランドに戻り、祖父の残した資産を受け取りました。

 

スチュワートはその金でアイルランドのリネンやレースを買い取り、再びニューヨーク渡り衣類や織物の店を開きました。

 

彼のビジネススキルは素晴らしく、ブロードウェイに大理石造りの正面玄関を持った大規模な店を建てるまでにいたりました。

 

この大規模店は、自身の卸売り問屋であると同時に、当時世界最大の小売店でもありました。

 

スチュワートは世界のあらゆる場所に店を置き、また複数の製糸工場を所有していました。

 

スチュワートの資産は、今日の価格に換算して900億ドルに相当するといわれています。

 

【アレクサンダー・スチュワートのセールス哲学】

 

彼は、どこに店があるかということより、「どこから仕入れるか」を大事だと考え、競争相手たちより安く売ることに努めました。

 

実際、他の競争相手たちが集まっている繁華街よりも離れたところにスチュワートの店は位置していました。

 

「お客さんたちは、最も安いもののためには多少の足労もいとわないだろう」と彼は信じていたのです。

 

開店当初は、店の前に商品がたっぷり入った箱をいくつも並べて道行く人たちの目を引く、という宣伝手法をとりました。

 

「店の前にごちゃごちゃと商品が散乱していて、人々が押し合っている。そんな光景がこの店のいい宣伝になるのだ」と語っています。

 

しかし、いったん店が軌道に乗り人気店となると、スチュワートは店の広告を一切出さなくなってしまいます。

 

うちの店で買い物をしたい人たちは、どこに店があるかすでに知っているからだ、というのが理由でした。

 

セールスの極意として、スチュワートはこう語っています。

 

お客さんたちは商品のことはよく知らず、自分の好みははっきりしていながら、人の言うことに影響を受けやすい。

 

売り手はこういうお客さんたちを引っ掛けて買わせるチャンスに遭遇するだろう。

 

同時にお客さんたちもチャンスがあれば、売り手をごまかし、場合によっては仕入れ値より安く売らせようとする。

 

売り手は賢くなければいけないが、あまり賢くなりすぎてもいけない。

 

お客さんをだますようなことは決してしてはいけない。

たとえだますことが出来たとしても。

 

お客さんに満足してもらわなければいけない。

 

そうすればまた足を運んでくれるものだ。

 

この店の成功の後、スチュワートは当時としては画期的であったメール・オーダーでの信販も始め、富をどんどん膨らませていきました。